本日iPhoneの発売日。携帯の新製品が出たって報道しない日本のマスコミがこぞって、表参道のソフトバンクや大型量販店に詰め掛ける。WindowsMobileのスマートフォンが発売されたってこんなに世間は興奮しない。それだけiPhoneとは楽しいガジェットなのである。
その底上げには、iPodの普及が一役をかっているのだろう。通勤電車でみかけるシリコンオーディオプレーヤーはほとんどがiPodのように感じる。それぐらいおたくではなく、一般ピープルに広がっているのだ。
さて、このiPhoneのビジネスである。まずはソフトバンクだが、iPhoneを見事ゲットした人はいくら払うのだろうか。
- 基本料金 ホワイトプラン 980円
- パケット定額 5985円
- S!ベーシック 315円
- 本体分割払い 2880円
- スーパーボーナス割引 -1920円
合計、8240円が月額の収入だ。スーパーボーナスは2年間の縛りがあるから、
2年トータルで、1契約197760円。約20万円の収入だ。
本体価格を抑えるために、キャリアは胴元のAppleに本体価格同額程度の販売奨励金を払う。3万円程度とすると、ソフトバンクの2年間の収入は17万円。おたくスマートフォン市場だと売れて20万人程度。iPhoneなら、100万人ぐらいいくかもしれない。すると、2年で1700億円の売り上げ。通信インフラビジネスではここまで。iPhoneが売れるだけでAppleには300億円がやってくる。
iPhoneは、基本的にインターネットサイトアクセスだ。携帯専用サイトのように囲い込んでサイト収入を得ることはできない。逆にここはAppStoreと直結しているAppleに押さえられている。携帯と比べることがかわいそうなぐらい楽しそうなゲームや本当に役に立ちそうなツール群がAppStoreに並ぶことだろう。Appleはここで有償ソフトウェア売り上げの30%をゲットする。1人が2年で、5つのゲームやツールを購入する。1つ500円として、100万人で500億円。Appleには20%の150億が転がり込む。
ゲーム会社にとっても魅力的なプラットフォームのようだ。
ゲームソフト会社から見たiPhoneの魅力--「ここまで整ったプラットフォームは世界初」
iPhoneは音楽プレーヤーである。携帯の着メロ、着歌のような、どことなく中途半端ではなく、CDを買うかのごとくiTuneで正当な音楽を提供する。買ったことで得られるジャケットのCoverFlowはめくるのが楽しく、ついついおき入りの音楽をクリックしてしまうだろう。1人が2年で20曲買うとする。1曲150円として、100万人で3000億円の市場だ。
インターネットにアクセスするということは、家のパソコンでやっていることをiPhoneでもやるということである。Amazonで本を買い、楽天で酒を買い、旅サイトでバカンスを申し込み、Yahooオークションで物を売り買いする。この領域はすでにPCで利用料を払っているので、iPhoneになったからといって、増えることはないだろう。しかしながら、今後、iPhoneUI(ユーザインタフェース)に最適化してくる新しいサービスがでてくることは想像に難くない。既存のサイトもiPhoneUIへの対応をぞくぞくとしてきているので、ここはまさに激戦区になるのは間違いない。
iPhoneUIでは、静止画や動画が美しく、操作も楽しいので、コンテンツフォルダは、大いにチャンスだろう。iPhone内に保有するのではなく、ストレージサービスとの組合せで、お気に入りの静止画(写真、漫画、絵画、マインドマップ・・・)、動画(CM、映画、ドラマ、セミナー、ホームビデオ・・・)が出し入れできたら、すごいだろうなあ。ネットワークサービスのMoblieMeが、iTuneストアと合体すると、それに対応するのかもしれない。そうなったらPCのアプリとも連携しちゃうし、楽しそうだから、Macも欲しくなっちゃうだろうなあ。
最後は、ビジネスとしての利用だ。うちのかみさんは、充電できなくなってしまったCLIEの後釜として、iPod Touchを買った。iPod Touchは、WindowsPCではOUTLOOKと連携できるので、PDAとしても成り立つ。その上、ブラウザ、静止画、動画などの操作性は、過去のどのPDAよりも卓越している。外の無線LANを契約して、外部でもWebを見ているらしい。
iPhoneはExchangeとの連携もできるようになったが、メールとしてのビジネス利用はそんなに盛り上がらないのではないかと思っている。むしろ、現場でのまったく新しい操作性を持つ端末として利用されたらすごいと思う。たとえば、コンビニの発注端末。自動販売機のターミナル。宅配便業者のターミナル。保険販売員のプレゼン端末。工事保守員の作業端末。マルチタップで広がる業務の世界がどのようになるのか、非常に楽しみである。
しかし、これだけの発明品を受け入れられなかった日本の王者DoCoMoはどうなっているのか?うちは訳あって、このiPhone×ソフトバンクの大フィーバーに参加できない。DoCoMoから2番煎じでiPhoneが発売されるか、リニューアルするであろうiPod Touchをかみさんとおそろいで購入するかのどちらかである。どうするんだ?DoCoMo君!
しかし、iPhone、すごいエコシステム(利益連鎖)に育ちそうで楽しみであーる。